【次の一手】「成る」「成らない」の判断から学ぶ「意思決定」

将棋経営塾の松本です!

将棋では「成る」「成らない」の判断に迫られる事があります。

駒が裏返ることを「成る」、裏返った駒のことを「成駒」といいます。

成銀(なりぎん)とは、将棋の駒である銀将(ぎんしょう)が成長した駒で、金将と同じ動きをします。

成銀の特徴

銀将の裏側で、駒によって字の形は異なりますが、銀の裏はすべて「なりぎん」と呼ばれます。略して「全」とも記されます。前、斜め前、横、後ろに動けます。

銀将の特徴

金と違って横に動くことができず、後ろに下がる場合も斜め方向だけ。金よりも攻撃に向くといわれています。前と斜め前後の五方向に、それぞれ一つずつ進めることができます。

このように、将棋において、銀が敵陣に入って「成る」か「成らない」かの判断は、局面や状況によって異なります。

成ることで強みが変化するという教訓は、ビジネスの戦略的な意思決定にも直結しています。

時には、銀を成らずにそのまま攻めを継続する方が良い場合もあります。

銀が成ると、横と後ろの動きが活かされます。

自身の強みをブラッシュアップさせることで、ライバルに対する優位性を高めるということに似ています。

例えば、目標達成のために新しい学びを取り入れる、既存サービスを改善する、社内(チーム)の体制を見直して効率を上げるなど、その時の判断が結果の鍵を握るのと同じです。

一方、成らない選択は、銀の特性である斜めの動きがそのまま活かされます。あえて駒を成らずに状況に対応できる余地を残します。

これは、今すぐ大きな変革を行わず、柔軟な対応力を維持することと似ています。

【難易度】★★★☆☆

【局 面】△6四歩

【選択肢】A:▲6四銀成、B:▲6四銀不成

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【解答】A:▲6四銀成

成ることで横利きを活かし、攻めに有利な状況を作り出すことが必要な場面です。

まず、歩を獲得しながら銀を手前に移動させることで、相手玉に迫ることができます。

それと同時に、1七の「遠見の角」が7一の地点まで睨みを利かせます。

銀が成ることで7四の地点にも利いているので、相手玉が逃げることができる範囲を狭くします。

▲6四銀不成とすると、7五の地点に利きはありますが、相手玉が7四から6五の地点へ逃げる隙を与えてしまいます。

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