将棋経営塾の松本です!
将棋を指しているとき、たった一手が後々大きな影響を与えることがあります。
特に飛車のような大駒を動かすとき、何となく「安全な場所に」と逃げてしまいがちですが、実はその一手が、次の展開を左右することがあります。
なんとなくの手が、後々になって「あのときもっと考えておけば…」と振り返る場面、ビジネスの意思決定でも少なからず経験があるのではないでしょうか。
例えば、ある事業の方向性を決めるとき、目の前のトレンドや短期的な利益にすぐに飛びつくことは簡単かもしれません。
でも、ちょっと視点を広げて、数年後の成長やリスクを見据えて選択肢を考えると、判断が大きな違いを生むことってありますよね。
将棋も将来的にどう攻めや守りに使えるかを意識が必要
将棋で言えば、飛車をただ逃がすのではなく、将来的にどう攻めや守りに使えるかを意識して動かすようなものです。
私が以前お会いした経営者の方も、同じようなジレンマを感じていました。
ある時、急成長中のマーケットに素早く参入するか、地道な分野でじっくりと基盤を固めていくかを悩んでおられました。
その結果、後者を選び、目立つ成長ではなくても、堅実に足場を築いていかれました。そして振り返ったとき、その選択が大きな成功につながったと話されました。
飛びつくよりも、少しだけ遠くを見ていたからうまくいったのではないかと。
時には少し立ち止まり、次を見据えてみる。
ビジネスも将棋も、一手の違いがその後の展開を大きく変えるところが共通しているように思います。今すぐの成果を求めるのか、それとも次の一手、さらにはその先を見据えて選択するのか。
この選択の積み重ねが、気づけば大きな結果を生んでいる。そう考えると、日々の小さな決断にも意味があると感じるのではないでしょうか。
私自身、つい「今が大事だ」と思いがちですが、将棋のように、次の展開やその先をイメージしながら動いてみると、後になって「良かったな」と思えることが増えた気がします。
皆さんも、きっとビジネスの中で同じような経験をされていると思います。
時には少し立ち止まり、次を見据えてみる。そんな姿勢が、長期的な成長につながる一歩なのかもしれませんね。
【難易度】★★★☆☆
【局面】△8三歩
【ヒント】一手が未来を変える瞬間
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【解答】▲8八飛
飛車の逃げ場所が4か所あります。
相振り飛車(お互いに振り飛車戦法を採用している状態)の戦形においては、8六飛車の位置が安定していて良い場合が多いのですが、今回は、後手に比べて先手の駒が上部に手厚く進出しているので、自玉の守りにも注意しなければなりません。
まもなく中央部分で駒がぶつかって角交換になった場合に、△2八角の打ち込みを許すと先手が不利になってしまいます。
したがって、▲8八飛と引いて、飛車の横利きを活かして守備力を高めておくのが正解です。